20201018 2最相葉月さん南日本新聞

ノンフィクションライターの最相葉月さんに新聞1面コラムでご紹介頂きました「静かなる変革者たち」南日本新聞(10/18)

  • 2020年11月09日
  • NEWS
20201018-2最相葉月さん南日本新聞

教科書で学ぶ専門知識だけではカバーできない問題への指摘がある

2020年10月18日(日)付けの南日本新聞にて『静かなる変革者たち 精神障がいのある親に育てられ、成長して支援職に就いた子どもたちの語り』について、ノンフィクションライターの最相葉月さんに、新聞1面のコラム「朝の文箱 日曜随想」でご紹介いただきました。ありがとうございます。

 

ヤングケアラーを探せ

最近ある本を読んで多くを教えられた。

精神疾患をもつ親に育てられた子どもの会「こどもぴあ」と専門家が執筆した『静かなる変革者たち』(横山恵子・蔭山正子・こどもぴあ/ペンコム)だ。登場するのか、精神疾患を患う親に育てられ、成長してから精神保健福祉士や精神科看護師などの支援職に就いた人々だ。支援者の目で子ども時代を振り返っているため、教科書で学ぶ専門的知識だけではカバーできない問題への指摘がある。

たとえば、親が世間から受けた屈辱への怒りや親が豹変したときの戸惑い、いつ親が自殺するかわからないので学校に行けなかったと言う声もある。自分のせいで母親が病んだのではないかと罪悪感に苦しんだ人、将来の夢をあきらめた人もいる。

支援者となった元ヤングケアラーが共通して語るのは、「家族は家族、支援者にはなれない」ということだ。親子の心理的距離の近さが期待や甘え、いらだちにつながり、振り回される。家族で抱え込んで外部とのつながりが持てず、潜在化しやすいのも大きな問題だ。

ヤングケアラー支援を表明した自治体はあるが、精神疾患を持つ親と暮らす子供の存在は現状把握からして難しい。早急に彼らを探し出し、家族を丸ごと支援するシステムを構築しなければならないと思う。

「こどもぴあ」は少しずつ全国に広がり、家族学習会を開催しているそうだ。子どもたちに一日も早くつながって情報交換をしてほしい。決して一人では無いのだから。


●最相葉月(さいしょうはづき)さん

ノンフィクションライター。1963年生まれ。神戸市出身。「星新一」が大佛次郎賞受賞。主な著書に「絶対音感」「セラピスト」ほか。(南日本新聞より)


●精神疾患の親をもつ子どもの会「こどもぴあ」

生きづらさに寄り添う『みんなねっとライブラリー』シリーズ

ペンコムでは『みんなねっとライブラリー』を創刊しました。
「みんなねっとライブラリー」は、公益社団法人全精神保健福祉会連合会(みんなねっと)監修のもと、生きづらさを抱える本人と家族が安心して暮らせる社会をめざす一般向け書籍シリーズです。

家族、当事者、医療、福祉、介護など、多方面の著者が執筆し、わかりやすく、広く一般の方に「こころの病」について理解を深めてもらおうという内容です。

シリーズの装丁は、ブックデザイナーの矢萩多聞氏が手掛けます。

Doticon_red_Right『みんなねっとライブラリーシリーズ』創刊

みんなねっとライブラリー

静かなる変革者たち

『静かなる変革者たち』精神障がいのある親に育てられ、成長して支援職に就いた子どもたちの語り〜みんなねっとライブラリー2

横山恵子、蔭山正子、こどもぴあ(著)

¥1,400 (税別)

精神疾患のある親に育てられ、成長して支援職に就いた4人の子どもたちが体験記と座談会で語る親のこと、家族、支援のありかた

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