東京新聞、中日新聞朝刊で「静かなる変革者たち」紹介。早速、読者の方からご感想をいただきました(2020/1/8付け)
精神障害のある親に育てられた子どもの視点から、ケアのあり方を描いた本
2020年1月8日付けの東京新聞、中日新聞朝刊の新刊コーナーにて『静かなる変革者たち 精神障がいのある親に育てられ、成長して支援職に就いた子どもたちの語り』を掲載いただきました。
東京新聞、中日新聞生活面 2020年1月8日朝刊
「新刊紹介」
◆「静かなる変革者 たち」 横山恵子、蔭山正子、こどもぴあ著(ペンコム、1540円)
精神障害のある親に育てられた子どもの視点から、ケアのあり方を描いた。精神疾患を患う親がいる子どもの会「こどもぴあ」のメンバー で、大人になって支援職についた4人の体験記と、座談会、精神障害者 の家族支援に取り組む横山教授(埼玉県立大)と蔭山准教授(大阪大大学院)による考察の3部構成。体験記と座談会では、親の自殺未遂や自傷行為に向き合う難しさや、世間の偏見やいじめに苦しんだ過去をどう乗り越えてきたか、「静かなる変革者」の思いが赤裸々に語られる。
自傷をくり返す生きづらさの理由を、子どもたちに話そうと思いました(読者の方から)
中日新聞をごらんになった方から、編集室にお電話を頂きました。
「新聞を読んで、母親のわたし(50代、女性)が自傷をくり返す生きづらさの理由、つまり精神障がいであることを、子どもたちに話そうと思いました」
という内容でした。
ただ、お電話の状態が、とてもつらそうでしたので、「みんなねっと相談室」の電話相談におつなぎ致しました。
ちょうど、週に1回(水曜日)の相談の日だったため、連絡がとれたということで、翌日、感謝のお電話をいただき、「『静かなる変革者たち』を子どもたちに読んでもらおうと思います。」とおっしゃっていました。
この本と出会って、お母さんは必死でがんばって私たちを育ててくれたこと、頑張りすぎて発病したことをしりました(読者の方から)
また、早速、本を読んだという方からご連絡をいただきました。
20代女性の方です。
『静かなる変革者たち』坂本さんのケースが、あまりに自分の家族の状況と同じなので、1ページ1ページ、深呼吸をしながら読みました。
うちも、若いときは活発でかっこうよくて憧れの母でした。
しかし、女手ひとつで私たちきょうだいを育てるため、3カ所の仕事をかけもちし、だんだん体調を崩して、だらしなくなっていきました。
うちのお母さんは、なんでこうなんだろう、よそのお母さんと違うんだろう、学校の先生はなぜ、うちのことを分かってくれないんだろう。
家が嫌で飛び出して、わたしは一人暮らしをはじめました。
でも、この本と出会って、お母さんは必死でがんばって私たちを育ててくれたこと、頑張りすぎて発病したことを知りました。
今度、実家に帰ったら、お母さんと向き合って、お母さんの話を聞こうと思います。
という内容でした。
泣きながらのお電話で、私まで涙がにじみました。
『静かなる変革者たち』。こういう状況にある多くの子どもたちが、救いを求められないまま、救いを求めることすら気付かないまま、家族だけでつらさを抱えながら生きています。
ぜひ、知っていただきたいです。
『追体験 霧晴れる時』 〜今および未来を生きる 精神障がいのある人の家族 15のモノガタリ〜みんなねっとライブラリー1【紙・電子】青木聖久(著) 1,300円+税→生涯を通じて5人に1人がこころの病気にかかるともいわれる時代(厚労省みんなのメンタルヘルス)。
そのとき家族は過去をどう乗り越え、「霧晴れる時」を迎えることができたのか。15家族の実話
生きづらさに寄り添う『みんなねっとライブラリー』シリーズ
ペンコムでは『みんなねっとライブラリー』を創刊しました。
「みんなねっとライブラリー」は、公益社団法人全精神保健福祉会連合会(みんなねっと)監修のもと、生きづらさを抱える本人と家族が安心して暮らせる社会をめざす一般向け書籍シリーズです。
家族、当事者、医療、福祉、介護など、多方面の著者が執筆し、わかりやすく、広く一般の方に「こころの病」について理解を深めてもらおうという内容です。
シリーズの装丁は、ブックデザイナーの矢萩多聞氏が手掛けます。