平成のITを『バグは本当に虫だった』の目次で振り返る
平成は情報革命の時代
平成31年4月30日(火)は、平成最後の日。
ITの歴史を逸話で回顧した本『バグは本当に虫だった』の目次で、平成のITを振り返ってみたいと思います。
はじめに
第1章 コンピュータ黎明期から汎用コンピュータの時代 15
※江戸時代!
世界最初のプログラマは女性だった 1837年 19
※昭和
紳士は互いの信書は読まないものである 1931年 21
人工知能の父「チューリング」悲劇の生涯 1950年 25
サンタさんは本当にいる 1955年 28
バグは本当に虫だった! 1959年 31
世界初の座席予約システムは日本で誕生 1960年 34
音声合成で世界最初に流れたのはデイジー・ベルの歌 1961年 37
シリの都市伝説はイライザから始まった 1966年 40
マウス誕生は意外に古い 1968年 43
第2章 インターネット・パソコンの黎明期 49
インターネットは冷戦時代にスタート 1969年 52
インターネットでデータを送れるのは「焼き芋」のおかげ 1969年 56
インターネットは誰が管理しているの? 1969年 59
インテルは日本で生まれた可能性があった 1971年 65
クリア・エーテル! 清澄な宇宙空間を祈念しましょう! 1973年 68
ライバル会社だった富士通、日立製作所が共同で作った会社があった 1974年 72
経営の苦しさがきっかけで世界初のマイコンが誕生する 1975年 76
世界初のパソコン「アルテア」は、スター・トレックに登場する惑星名 1975年 80
マイクロソフト創業は、ビル・ゲイツ二十歳の時 1975年 81
アップルは非合法的ビジネスからスタート 1976年 84
アップルⅠを世界に送りだしアップルがスタート 1976年 87
フォントの話 1976年 91
オラクル本社ビルはデータベースの形 1977年 95
最初の日本語ワープロは六百三十万円もした! 1978年 99
ワープロの「かな漢字変換」は主流ではなかった 1978年 102
データ保存はカセットテープがあたりまえだった 1978年 105
第3章 ベーシックパソコンからMS-DOSパソコンへ 109
世界最初の表計算ソフトを作ったのは学生だった 1979年 113
マニアが監修したPC‐8001発売 1979年 116
嘘八百という名前のパソコンがあった 1980年 120
マイクロソフトの躍進はチェスから始まった 1981年 123
ビル・ゲイツはハンバーガーがお好き 1981年 127
富士通のパソコンCMといえばタモリだった 1982年 131
元祖ネットアイドル Yo 1982年 135
アスキーの創業『月刊アスキー』の創刊 1977年 138
表計算ソフトはインド哲学の影響をうけて誕生 1983年 144
ジョブズの娘の名前がつけられたパソコンがあった 1983年 147
デルの創業者は外科医になる予定だった 1984年 151
日本のインターネットは誰が始めた? 1984年 154
ローマ字か英語か。喧嘩からスタートしたネット文化 1984年 159
日本のドメインは〝JP〟ではなかった 1984年 161
電子メールの@(アットマーク)は使えなかった? 1984年 163
一太郎は家庭教師先の子供の名前だった 1985年 165
エクセルはマッキントッシュ版が最初だった 1985年 168
キヤノンがマック市場を切り開いた 1985年 170
〝ウィンテル時代〟はなかった可能性がある 1985年 174
最初のウイルスはパキスタン生まれ 1986年 178
※ここから平成!!!
〝コンピュータウイルス〟は英語ではない 1989年 183
羽の生えたトースタが画面の中を飛ぶ 1989年 186
第4章 ホームページの時代へ 189
ホームページはスイスで誕生した 1990年 192
幻想的な楽園 そこはザナドゥ 1990年 196
Ctrl+Alt+Delの採用はビル・ゲイツのミス 1990年 199
大物アーチストによる起動音 1992年 202
日本のインターネットは実名から始まった 1992年 205
ヤフー創業者 京都で恋に落ちる 1992年 209
怪獣ゴジラから命名したWWWブラウザがあった 1993年 212
インターネット広告の誕生 1994年 215
世界初のインターネット専門誌は日本で生まれた 1994年 220
ネット接続するために必ず通る稟議書の書き方教えます 1994年 224
世界一有名な猫「ソックス」 1995年 229
インターネットの別国家 1995年 232
ジャバはジャワ島コーヒーから名づけられた 1995年 238
ヤフーはスモウの「曙」から誕生した 1995年 242
ヤッホーという検索サイトがあった 1995年 246
夢のテレホーダイが登場 1995年 249
楽天トラベルは社内ベンチャーから生まれた 1996年 253
会社を追い出された男が、戻って見事に復活 1997年 256
スティーブ・ジョブズの愛車にはナンバープレートがない 1997年 260
Aドライブ、Bドライブはどこへ消えた 1998年 263
ドメインの問題解決はかなり大変! 1999年 267
第5章 検索の時代へ 275
グーグルはミススペルから名づけられた 1998年 280
グーグルロゴがプロポーズに使われたことがある 1998年 285
フラッシュメモリは日本発 2000年 288
ウィンドウズXPの草原は実在する 2001年 290
プレイステーションと同じCPUで冥王星へ 2006年 292
iPhoneの時刻が9時41分なのはなぜ 2007年 295
スティーブ・ジョブズの右腕は沖縄出身 2010年 299
チータにデトロイト 意外な開発コード名 2010年 302
マイクロソフトにはウィンドウズという野球チームがある 2010年 305
第6章 AIの時代へ情報化社会の未来予想 309
3・11の震災でツイッターが威力を発揮。通信を支えた海底ケーブル 2011年 314
インターネットの住所が枯渇 2011年 319
サービス事業者と税金の深い関係とは 2012年 322
モールス信号で日本語入力ができる! 2012年 324
「バルス!」と叫んでもクジラがあらわれなかったのはなぜ? 2013年 331
6・8キロ太るグーグルの社食 2015年 334
八幡神社が日本でいちばん多い 2015年 338
高級ホテル予約サイト「一休」は犬の名前から名づけられた 2016年 342
囲碁で人間がコンピュータに負ける 2016年 344
ペンギン、パンダに大騒ぎ 2016年 350
フィンテックと税理士の未来 2016年 355
ポケモンGOとお遍路との関係 2016年 359
バグ退散に効果がある寺社はどこ? 2016年 364
情報化社会の未来予想 20XX年 367
おわりに
令和は、AIとニンゲンの戦いの時代となるのか
ITの歴史を逸話で振り返ってみると、平成は、「情報革命」の時代だったといえます。革命後の令和はどんな時代になるのでしょうか。
『バグは本当に虫だった』の著者・水谷哲也さんは、最終章『情報化社会の未来予想』で次の様に書いています。
■シンギュラリティはいつ起きるのか
シンギュラリティ(技術的特異点)とは技術の進化によって、人間の生活が後戻りできないほど変わってしまうようになる点をいいます。たとえば人類が火の使用を始めた時がそうですし、蒸気機関の発明で、産業革命が起きた時もシンギュラリティ(技術的特異点)です。最近ならテレビ、電話、インターネットの登場もそうでしょう。人工知能が人間の能力を超えることもシンギュラリティ(技術的特異点)と呼んでいます。
既に銀行がコールセンターへアイビーエムの人工知能ワトソンの導入を始めており、コールセンターへ電話をするとコンピュータが会話の相手をする時代が到来しています。電話する側は相手がコンピュータだと認識していませんので、既にチューリング・テストによる人工知能判定は突破していることになります。
今は意識がない人工知能ですが、そろそろ心配を始めないといけないのが人工知能の暴走です。世界的に人工知能を安全性やセキュリティ面から評価して、公的認証する動きが出ていますが、どうしても出てくるのが管理からはずれるノラ人工知能です。管理からはずれた人工知能をどう見つけるのか、暴走するのをどう食い止めるのか考えないといけない時期にきているのかもしれません。
人工知能というとコンピュータというイメージが強いのですが、最終的には人を扱うものでもあり、心理学者や哲学者も参画しています。そこでわかってきたのは、逆説的ですが、いかに人がすごいことをやっているかということです。タヒチを愛したフランスの画家ゴーギャンには不思議なタイトルの絵があります。タイトルは「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」で人工知能の永遠の命題は、この絵のタイトルに答えることにあるのかもしれません。