[生活保護と大学進学]著者に聞くー学生さんへ。夢を諦めないで『わたし生活保護を受けられますか』よりページ公開
「生活保護世帯の子どもさんの大学進学」が、最近マスコミで多く取り上げられています。現在は、生活保護を受けながら大学に通うことはできないからです。
では、 進学したいと夢を抱いている生活保護世帯の子どもたちは、どうしたらいいのでしょうか。
この点について、『わたし生活保護を受けられますか』の著者で特定行政書士の三木ひとみさんに話を聞きました。
–『わたし生活保護を受けられますか』著者・三木ひとみさん–
日本では平等に大学で学びのチャンスがある
生活保護制度上、大学生は原則として生活保護を受けられません。
日本国憲法第25条で定められた最低限の文化的な生活を保障する制度が、生活保護であり、厚生労働省は、大学に通学することを最低生活の範囲として認めていないからです。
ただ、高校生や夜間大学に通う学生は、生活保護を受けながら通学も可能で、行政書士の私個人的な意見としては、『高校卒業する頃には社会に出て十分働くことのできる、知識や能力を得ている』という国の考えに賛成なのです。
文部科学省による学校基本調査によれば、2021年度の大学・短大進学率は60%近くだったとのこと。1963年度の同進学率は15.4%でした。
高校卒業後、経済的事情から進学せず働く人もいます。これは、生活保護世帯に限りません。
私自身は、15歳で中学校を卒業後、両親や親戚から経済的援助は一切受けられませんでした。幼いころに両親は離婚し、母はうつを患っていました。ただ学ぶことは大好きで、図書館の本で学びました。
日本の高校に通いながらアメリカの高校にも留学して、大学にも進みました。すべて奨学金を利用したのですが、給付型はまだまだ少なく返済にはとても苦労しました。
そのころに比べ、今では、大学進学を望む方々への国の支援は、とても手厚くなっていて、生活保護制度だけが頼みの綱ではないと思っています。
令和2年からは世帯収入によって受けられる、返済不要の給付奨学金制度もスタートしています。
日本では、誰しも勉強をするチャンスもあるし、選択をする自由もあります。いつからでも大学へ行くことができるのです。
どうぞ、みなさん、夢は決して諦めないでください。
『わたし生活保護を受けられますか』では、若い世代に向けた『学生さんへ。夢を諦めないで』『給付奨学金で大学進学を。未来を拓こう』という解説をしています。
ぜひ、お読み頂けたらと思います。
公開『学生さんへ。夢を諦めないで』『給付奨学金で大学進学を。未来を拓こう』
『わたし生活保護を受けられますか』より、P103〜108を公開します。
ここでは、生活保護受給世帯の子どもさんに、夢を諦めずに、高校、大学に進学する方法について解説しています。
学生の皆さんはもちろん、ケースワーカーの皆さん、児童・生徒と同居のご家族、学校の先生方もぜひお読みください。
わたし生活保護を受けられますか
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