『母が若年性アルツハイマーになりました。』著者のNiccoさん、文化放送で介護体験語る(11/4,11)【 ハート・リング健康Radio 】
文化放送「ハート・リング健康Radio ~認知症と手をつなごう~」にゲスト出演
『母が若年性アルツハイマーになりました。〜まんがで読む 家族のこころと介護の記録〜』の著者・にっこさんが、文化放送「ハート・リング健康Radio ~認知症と手をつなごう~」にゲスト出演しました。
同番組は、これからますます増える認知症と認知症を取り巻く環境について、認知症に関わる様々な分野の有識者の方を招き、認知症にやさしい社会を目指すヒントを考えていこうというものです。
にっこさんは、文化放送アナウンサー 石川真紀さんのインタビューに答え、介護体験や書籍に込めた思い、読んだ方々からの反響などについて語りました。
放送は、11/4(日)、11/11(日)の2回(共に17:40-17:50)
放送内容はこちらで聴くことができます。
http://www.joqr.co.jp/heartring/
母が若年性アルツハイマーになりました。
11/4 インタビュー内容テキスト
これからますます増える認知症と認知症を取り巻く環境について、認知症に関わる様々な分野の有識者の方をお招きして、認知症にやさしい社会を目指すヒントを考えて参ります。ー
それでは今日のお客様をご紹介いたします。
18年間のお母様の介護の記録をまとめた漫画入りエッセイを出版。
Niccoさんのペンネームで活動されていますイラストレーターの野島朋子さんです。こんばんは。
よろしくお願いいたします。
Niccoさんこと、野島朋子さんは若年性アルツハイマーだったお母様の介護生活を軽いタッチと親しみのある絵柄の漫画で描いてエッセイで綴った本『母が若年性アルツハイマーになりました。』を今年4月に出版されました。おととし、4月に見とるまでの間、お母様が変わっていく姿を受け入れられなかった葛藤ですとか、介護を通じて学んだ気づきなどをユーモアを交えて描いていらっしゃるんですね 。
N iccoさん、野島朋子さんが、この綴りを始められたきっかけというのはどういったところだったんでしょうか
一番最初は認知症の人と家族の会っていう組織があるんですけれども、そこの千葉県支部が出しているの会報があるんですね。
月に1回届くんですけども、そこの事務局さんの方から、介護体験記を書いてくれないかと。
最初は父に連絡があったんですでも、父は俺はそういうものは書けないと。
私がまあちょっと絵を書いたりする仕事をしてるもんですから、お前が書けということで。私も自宅の年賀状を四コマ漫画で書いたりしてるもんですから、いずれ認知症になってしまった母のことを、絵入りのもので表現したいなという思いはあったので、ちょうど認知症の疑いが始まってからかな、10年ぐらい経っていましたので、私もちょっと気持ちの整理ができ始めていましたので、オーケーしたという感じで、それが始まりでした。
本が出版されて反響が大きかったそうですね。
そうですね。もともと実はこの本は、お別れ会をした時に来てくださったかたに、その母がどんな風な病状だったかということをお知らせするために作った冊子がありまして、母を知っている人に読んでもらうという形で、その時に皆さんからすごく反響をいただきまして、「これはいつか出版するといいわよー」って配った方からはいただいていたのですけれども、まさか本当に出版する形になるとは思ってなくて。
というのは、当時はまだ連載中でしたし、そんなふうにはまだ全然私も思ってなかったんです。けれどもたまたまちょっとご縁があって、やっぱりそしたら、家族の気持ちを書いた本というのは、今あんまりないというか、実はわたし、なんでこの連載を書いたかっていうと、自分が読みたかった本なんですね、自分が母の介護が始まった時にすごくしんどくて、その時にこんな本があったらいいなと思って書いたっていうのがあるので、だからその反響をいただいて思いが伝わったなーっていうのはすごく感じました。
その介護してらっしゃるご家族の他にも、施設の所長さんですとか、介護士の方からのメッセージですか、感想とかお寄せいただいてるようですね。
そうですね。母がお世話になった介護施設の方はもちろんなんですけれど、そちらのグループの施設の方ですとか、別の方ですとか、そういう皆さんご読んでくださって、やっぱり介護している人のスタッフ、それを仕事にする方って日々それが本当仕事なので、当たり前と言うかあんまりその家族がどう思ってるかっていうところまで多分思いを馳せることがないと思うんでも、まあ、全く無いとは言いませんけれども、私がその、こんなに家族としては思いがあるんだっていうことを漫画に込めて書いたので、それを読んでくださった方は家族はこんなふうに思ってるんですね、みたいな感想を頂いて、あらためて気づきましたみたいなことは頂いたので、施設で働いている人にも読んでもらえたらなとは思いました。
実際に野島さん達、家族が介護を経験して知った用語ですとか、実際に経験してわかったことというのも、そのポイントごとにまとめられていて、そのまさにお困りなってらっしゃる時に、ここから読んでもいいよっていう感じで、導かれてる印象ですね。
そうですね。
やはりそこは、編集する際にただ漫画の羅列だと結構情報量も多いので、大変ですよねということになり、あと介護生活をしている人には馴染みの言葉でも、初めて読む人には何のことかわからない言葉がたくさんありますので、漫画っていうことでたぶんいろんな人に読んでもらえるのではないかという思いも込めて、介護入門書ではないですけど、テキストブックのようなイメージで、初めて出てくる言葉には必ずその注釈をつけるとか、といったことはその編集の人と一緒に時間かけてやったので。まさに、お困りの方、お一人でも、それからどなたかと一緒に見るにもとてもいい優しい絵本のようなスタイルになっていますね。
野島朋子さんがにっこさんのペンネームで出版された本をあらためてご紹介します。
タイトルが、『母が若年性アルツハイマーになりました 漫画で読む家族の心と介護の記録』ペンコムから税別1500円で発売されています。
お話の続きまた来週もお伺いします。
にっこさんのペンネームで活動するイラストレーターの野島朋子さんでした。ありがとうございました。
文化放送「ハート・リング健康Radio ~認知症と手をつなごう~」
http://www.joqr.co.jp/heartring/
イラストレーターが体験した介護
11/7 インタビュー内容テキスト
これからますます増える認知症と認知症を取り巻く環境について、認知症に関わる様々な分野の有識者の方をお招きして、認知症にやさしい社会を目指すヒントを考えて参ります。ー
今日のお客様ご紹介いたします
先週に引き続きまして、18年間のお母様の介護の記録をまとめたまんが入りエッセイ、『母が若年性アルツハイマーになりました。〜まんがで読む 家族のこころと介護の記録〜』を出版。にっこさんのペンネームで活動するイラストレーターの野島朋子さんです。こんばんは。
こんばんは。よろしくお願いいたします。
野島さんが実際に経験されましたお母様の介護と認知症との向き合い方についてお話を伺っていきたいと思います。にっこさんのお母様の場合は、50代後半頃から、ご自身で気にされていたのにも関わらず、アルツハイマーと診断されるまでに5年ほどかかったということで、それより前に一緒に暮らしていたお父様は何か違いというのを感じとっていたことが多かったようですよね。
50代後半の頃は、まだ母も元気でアルツハイマーらしい症状が特に出ていたというわけではないので、その当時、父が疑っていたかというとそうでもないんですけれども、最初に受診してからアルツハイマーと診断されるまで5年っかっているので、後半に関しましては、あれ?ちょっとお母さんおかしいぞって思ってたみたいです。
で、野島さんご自身はどのように、向き合って乗り越えておられたんですか。
これがすごく難しくて、私、母が大好きだったもんですから、大好きだった母がどんどんこわれていく現実に、なかなか、向き合うことができなくて、 一番辛いのは母なんだって頭ではわかっているんですが でも受け入れられないみたいな ということがあって、それはすごくつらかったですね。
現実は待ってくれませんので 、一番辛いのは母なんだって、頭でも分かっているんですが、でも受け入れられないというような。そういう期間が結構あって、それはすごくつらかったですね。一番衝撃だったのは母が私の前で失禁をしたことです。
それは本当に頭を殴られるような衝撃で、2歳児だったら,押さえつけるとかしてオムツを変えちゃうんですけれど、大人の女性なのでそういうわけにもいかず、トイレに誘導したりとかはしたんですけれども、なかなかそれがうまくいかなくて、また母は逃げ出して、その間にまた失禁みたいなことがあって。それを見た時に私、うけいれられないなんて言っている場合じゃないと思って、そこが一番のターニングポイントと言うか、そういうことがありました。認知症の人と家族の会との出会いも大きかったようですね。
同じような思いをしている人と出会う、家族と出会うということはとても大きくて、認知症の人と家族の会は父が入会したんですけれども、 父のところに毎月会報が届くのですけれども、そこには新しい情報がたくさん載っていたのと、会員だからこそ手に入れることのできる情報もとても貴重でしたので、それは父にとってもとても大切な情報をえる機会だったと思います。
お母様の介護について、野島朋子さんはどのように思っていらっしゃいますか。
正直言って私はそれほど介護をしていませんで、母は父と二人暮らしでしたので、父が本当にしっかりと介護をしてくれて、私はその父が例えば仕事でどうしても家を空けなければいけないとか、ちょっと親戚の法事があるとか、そういう時にサポートするというのが主な役目だったんです。
でもやはり私、母のことが大好きだったと、何度も言っているのですけれども、大好きな母から、ある時、「あなたのお名前は?」って聞かれた時、もう私の顔を見ても私のことがわからないんだと思った時は、本当に悲しくて切ない病気だなって思いました。見送って今2年少し経つんですが、今思うと母は自分がどのように生きて来たかということを、私に見せたかったのかなって、今思うようになって。
だから今となっては、立派に75年の人生を閉じたなーって思ってそんな気持ちでいます。お話の締めくくりとしまして、にっこさんは認知症にやさしい社会がどういう社会なのかとお感じになっていますか。
認知症の人が実は一番辛いというのが、そういうことが私最初はわかっていなくて、認知症になってしまったら、ボケてしまったこともわからないのかなと思ってたんですね。
決してそんなことはなくて、いろいろなことがわからないけれども、ボケてしまったことは分かるし、感情は残る。本当に切ない病気だと思います。ということを周りの人が理解さえしていれば、認知症にやさしい社会というのも普通に訪れると言うかそうなるのではないかなと思います。
改めまして、野島朋子さんがにっこさんというペンネームで出版されています本をご紹介いたします。
タイトルが『母が若年性アルツハイマーになりました。〜まんがで読む 家族のこころと介護の記録〜』ペンコムから税別1500円で発売中で。す
2週にわたりましてにっこさんのペンネームで活動する野島朋子さんにお話を伺いました。
ありがとうありがとうございました。
文化放送「ハート・リング健康Radio ~認知症と手をつなごう~」
<基本情報>
・書名:母が若年性アルツハイマーになりました。〜まんがで読む家族のこころと介護の記録〜
・著者: Nicco(にっこ)
・発売日:2018年4月12日
・定価: 1,500円(税別)
・判型: A4変型
・ページ数:168ページ
・本文色:1色
・ISBN:978-4-295-40172-8
・発行:株式会社ペンコム ・発売:株式会社インプレス