今日の向こうは

今日の向こうは-きょうだいが語るきょうだいの精神疾患と私の人生(みんなねっとライブラリー5)

横山恵子

¥1,650

精神疾患のある兄弟姉妹と生きてきた4人が語る「自分の人生」。横山恵子教授による「きょうだい支援」の考察も収録。

在庫あり

今日の向こうは-きょうだいは親代わりではない

きょうだいは、親代わりではない

精神疾患のある兄弟姉妹がいる「きょうだい」児のことを知っていますか。

『今日の向こうは−きょうだいが語るきょうだいの精神疾患と私の人生』は、
精神疾患のある兄弟姉妹とともに生きてきた4人が、
幼少期から現在までの「自分の人生」そして、「明日」を語った本です。

多くのきょうだいは、
「自分がしっかりしなければ」
「自分が支えなければ」
「親亡き後は、自分が面倒をみなければ」

そんな思いを抱え、

進学する。
働く。
親元を離れる。
結婚する。
自分の未来を考える。

そんな当たり前のことが、「今日の向こうに明日がある」ことが、
「考えられない」と語ります。
でも、きょうだいには、自身の人生がある。

自分の人生を生きていいんだよ。

そのことを、まず「きょうだい」自身に知ってほしい。

そして、親・家族、支援者にも、
これまで十分に語られてこなかった
「きょうだい」の体験を知ってほしい。

そんな思いから、この本は生まれました。

精神疾患のある兄弟姉妹をもつ「きょうだい」のみなさんへ

こんなことを思ったことはありませんか。

– 「自分がしっかりしなければ」と思ってきた
– 兄弟姉妹のことを、友人や周囲の人に話せない
– 自分だけ家を出たり、好きなことをしたりしていいのか迷う
– 進学や就職を考えるとき、家族のことが頭から離れない
– 結婚して、自分の家庭をつくっていいのだろうかと思う
– 「親亡き後は自分が」と考えている
– 家族なのだから、これくらい当たり前だと思ってきた
– ほかの「きょうだい」は、どう生きているのか知りたい

家族のことを大切に思う気持ちと、
自分の人生を大切にする気持ちと……

本書では、20〜40代の4人が、
幼少期から現在までを振り返り、
精神疾患のある兄弟姉妹とともに生きてきた
自分自身の人生を率直につづっています。

ぜひ、お読みいただき、若い彼ら「きょうだい」の葛藤を知って頂きたいと思います。

今日の向こうは02

4人の「きょうだい」が語る、それぞれの人生

20代・弟
姉が中学生で発症。自分は小学生。
「きょうだいは親代わりではない」

40代・姉
妹の発症を経験し、自らも支援職へ。
「家族の力だけでは解決できない」

20代・妹
統合失調症の姉との離別と再会を経験。
「自分ひとりで苦しまず、相談してほしい」

30代・弟
姉が高校生で発症。自分は中学生。
「自分の人生」を考えられたとき、未来が変わった。

親・家族のみなさんへ

精神疾患のある子どものことで精いっぱいだった。

そのとき、きょうだいが
何を感じ、何を考えていたのか。

「きょうだい」は、
親とは違う立場で兄弟姉妹を見ています。

そして、自分自身も成長し、
進学、就職、結婚など、
人生の選択をしていきます。

家族だから分かっているつもりでも、
知らなかった思いがあるかもしれません。

本書から、「きょうだい」の気持ちを知って、受け止めてほしいと願っています。

支援に関わるみなさんへ

 その「キーパーソン」、きょうだいに背負わせていませんか?

精神疾患のある本人を支援するとき、
兄弟姉妹を「家族だから」と、
当然のように頼ってしまうこともあります。

本書では4人の体験をもとに、
家族支援を専門とする著者の横山恵子教授が、

「きょうだいがきょうだいでいられるための家族支援」

について考察します。

きょうだいの経験を知る。
安易にキーパーソンとして頼らない。
本人だけでなく、家族全体を支援する。

医療、福祉、看護、教育、相談支援など、精神疾患のある人と家族に関わる方にもぜひ、お読みいただきたい一冊です。

みんなねっとライブラリーシリーズ5

 それぞれの立場から、
精神疾患と家族、支援を考える本。

「みんなねっとライブラリー」は、精神疾患のある本人、その家族・子ども・配偶者・きょうだいの体験談と、研究者・専門家の解説を一冊にまとめた一般向け書籍シリーズです。公益社団法人 全国精神保健福祉会連合会(みんなねっと)監修。
本書は、みんなねっとライブラリーシリーズ5として発刊するものです。

▶公益社団法人 全国精神保健福祉会連合会(みんなねっと)

▶みんなねっとライブラリーシリーズ

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はじめに
第1章 きょうだいの語り
その時、それまで、そして自分の未来

体験談1 ● 仲田海人(執筆時20代、弟の立場)  13
きょうだいは親代わりではない。
焦りを伴う先送りできない問題

私には3歳上の姉がいます。「しっかり者でクラスのリーダー的存在」だった姉が発症したのは、姉が中学生、私が小学生の時でした。きょうだいとして、将来を悲観した私が発したSOSは周囲の大人たちに届くことがなく、いつしか姉のことも含めて、わが家の問題は自分の手で解決しなければならないと思うようになっていました。

幼少の頃・自慢のお姉ちゃん /中学生になった姉・異変/父のこと・「父権的」な父もまた、生きづらさを抱えていた/母のこと・家庭での唯一の逃げ場所/中学生になった私・「あの生徒」の弟という目にさらされて/高校生の頃の私・夢と現実のはざまで/高2の私・精いっぱいのSOS。その先の無力感。自分でやるしかない/高3の私・進学で父との葛藤 /大学生の私・作業療法を学ぶ /大学卒業を前に・長期入院中の姉のために学びを生かしたい/親とは異なる「きょうだい」だから・姉が早期に自立しなければ自分の未来が描けない /きょうだい会の立ち上げ・情報や医療、福祉資源の地域格差を埋める/症状が安定した姉・やっと自分の人生を考えられるようになった/それから3年後の今・2024年4月

体験談2● やじろべえ(執筆時40代、姉の立場、作業療法士)
思春期のこころの問題を置き去りにしないために。
きょうだい、家族、支援者に伝えたいこと

私には4歳違いの妹がいます。妹は32歳で発症し、警察に助けを求め入院するなどしましたが、今は本来の妹らしさを取り戻しています。私は妹の病気をきっかけに支援者となりました。公認心理師の資格を取得した後、現在は、自立訓練施設の生活支援員として福祉施設に勤務しています。

妹、32歳の時・発症/幼少の頃・関西育ちで元気な妹/希望の高校進学の私、中学で部活に励む妹・暗転。父の会社の倒産、母の病気/妹は転校した中学校で・いじめ、歯ぎしり、家で暴れ壁に穴も/高校生の妹・一人で戦い続けていた/20代初期の私・父の独立、念願のマイホーム、妹は就職し最年少店長に/20代後半の姉妹・父の事業の失敗、マイホームの売却、親子別々の暮らし/30代前半の妹・C型肝炎ウイルスに感染し、薬の副作用で統合失調症に/30代後半の姉妹・病状が進行する妹、命あるうちにと奔走する母/40代の姉妹・母の死。悲しみで幻聴に支配される妹。悪化し最初の入院 /警察に助けを求め妹は再入院・家族の力だけでは解決できない。作業療法士を目指し学ぶ私/40代後半の姉妹。「妹」が戻ってきた!・両親も、妹本人も、私も病気を理解するようになれた/妹の病気と私・援助を必要とする人、支援する人/きょうだい、家族、支援者に伝えたいこと・思春期のこころの問題を置き去りにしないために/それから3年後の今・2024年4月

体験談3 ● 南の島のきょうだい(執筆時20代 妹の立場)
自分自身や家族の中に病気に対する偏見がなければ、
姉の病気の悪化を防げたかもしれない

私には4歳上の姉がいます。姉は、20歳頃に統合失調症の診断を受けました。現在も投薬治療を行いながら、訪問看護を利用し病気と向き合って生活しています。入院時期を経て、就労移行支援事業所に通ったのち、現在は就職をして社会生活を送っています。

幼少の頃・真面目で優しい姉/小学生~中学生の頃・姉は学級委員、部活動、勉強と多忙な生活/高校生の姉・ぷつんと糸が切れたように/高校生になった私・憧れの高校生活を満喫/大学生の姉・すぐに病院受診を!/大学を卒業した姉・家族は周囲の目を気にして家族内だけの隠し事に /就労移行支援事業所から介護職へ就職の姉・「普通に見えるから大丈夫」と思い込んでいた/大学で看護学を学ぶ私・精神疾患を学べば学ぶほど……/社会人の私 総合病院へ就職・憧れの一人暮らし、姉との同居/姉との離別・「家族とも友人とも一切の縁を切る」と/再会・姉の病気と向き合う/姉の発症から10年・病気への家族の理解/家族の今・姉は就職、私は結婚/きょうだい、家族へのメッセージ・自分ひとりで苦しまず、相談してみてほしい /それから3年後の今・2024年4月

体験談4 ● 木村諭志(執筆時30代、弟の立場)
周りの助けを借りて「自分の人生」を考えられた時、
未来をつかんで歩んでいける力になった

私は、4歳年上の統合失調症の姉を持つ弟です。姉は高校生の時に発病し、その時私は中学生でした。当時を振り返ることには慣れているとは言えませんが、今までの人生をライフサイクルに沿って振り返る中で、感じた思いを率直につづっていきたいと思います。

幼少の頃・いつも一緒の姉、子煩悩な両親 /高校生の姉・急変/中学生の私・和やかだった家庭の崩壊/中3の私・どうにでもなってしまえ/高校生の私・自分の人生って何だろう…/高校卒業後の私・気付けば20歳 /福祉の専門学校へ進学・初めてのやりがい /看護学校へ進学・家族との距離感。実家から出る決意/脳神経外科の看護師として多忙な日々・自分の人生、家族の人生/オーストラリアでのワーキングホリデー・一生の宝物/実家に戻り、精神科看護師に・教えることへの興味募る/大学生活・「きょうだい」の研究で自分自身と向き合う/結婚・自分の家庭を築く勇気を得て/これからの私・唯一無二の弟として/きょうだいに伝えたいメッセージ・決して一人じゃない/それから3年後の今・2024年4月

第2章 考察
精神障がい者のきょうだいの体験から きょうだい支援を考える
きょうだいがきょうだいでいられるための家族支援を / 横山 恵子

おわりに
奥付 執筆者、みんなねっとライブラリー

著者・横山恵子(よこやまけいこ)

横浜創英大学 看護学部 精神看護学 教授/看護師。
埼玉県立がんセンター、埼玉県立北高等看護学院、埼玉県立精神保健総合センター(現、県立精神医療センター)準備室を経て、看護師長として勤務。急性期病棟にて精神科看護を経験。その後、埼玉県立大学短期大学部看護学科講師、埼玉県立大学准教授から埼玉県立大学保健医療福祉学部看護学科・大学院保健医療福祉学研究科/教授/看護師。その間、日本社会事業大学社会福祉学研究科博士前期課程、東京女子医科大学大学院看護学研究科博士後期課程修了。
主な研究テーマは、精神障がい者の家族支援・家族会活動・アウトリーチサービス・看護師のキャリア支援。

基本情報

・書名:今日の向こうは きょうだいが語るきょうだいの精神疾患と私の人生
・著者:横山恵子、仲田海人、やじろべえ、南の島のきょうだい、木村諭志
・発売日:2024年6月12日
・価格: 1,650円(本体1,500円+税10%)
・判型 四六判(横127mm×縦188mm×厚さ10mm)
・ページ数 218ページ
・ISBN:978-4-295-40992-2
・Cコード:C0036
・発行:株式会社ペンコム
・発売:株式会社インプレス