今日の向こうは

今日の向こうは-きょうだいが語るきょうだいの精神疾患と私の人生(みんなねっとライブラリー5)

横山恵子

¥1,650

精神疾患の当事者をきょうだいにもつ、兄弟姉妹の体験談と解説。これまで多く語られることはなかった「きょうだい」への影響や特徴、求められる支援について。きょうだい応援本

在庫あり

今日の向こうは01

いま、困難の中にいる精神疾患の当事者をきょうだいにもつ、兄弟姉妹のみなさんへ

この本でいう「きょうだい」とは、精神疾患の当事者をきょうだいにもつ、兄弟姉妹(以下、きょうだい)の方々です。
当事者を近くで支えているのは、親ときょうだいですが、これまで、きょうだいについて語られることは多くはありませんでした。
本書では、4人の執筆者(20〜40歳代)が、幼少期から書き起こし、きょうだいの発症と、その後の家族の状況、自身の気持ち、成人となった現在のきょうだい、家族のようす、就職、 結婚、出産などライフステージの変化に至るまで、きょうだいの目線で、人生の体験をありのままに書いています。
そして、4人の体験談をもとに、精神障がい者の家族支援が専門の横浜創英大学 横山恵子教授が、「きょうだいがきょうだいでいられるための家族支援」について解説しています。

横山教授は「考察」の中で、「精神疾患の発症は想像以上に早く、その半数は10代半ば(14歳)までに発症しており、4分の3が20代半ばまでに発症すると言われ、児童、生徒、学生の年齢でその多くが発症している。きょうだいは年が近いことも多く、発症したきょうだいから長期にわたって影響を受けることになる」と、「きょうだい」への影響や特徴を分析した上で、具体的にどの様な支援が求められているかを解説しています。
「はじめに」より
きょうだいはたくさんいて、親の陰で、小さい時から苦労しています。
ぜひ、きょうだいの困難や特徴、きょうだいや家族に寄せる優しい思い、同時に、たくましい力を知っていただきたいと思います。
親、きょうだい、配偶者、子どもなど、さまざまな立場の方々に、きょうだいを理解していただくと共に、身近なきょうだいのサポートの参考になればと思います。
また、きょうだいに関わる支援者の方々に読んでいただき、支援に役立てていただきたいと思っています。
そして何より、きょうだいに読んでいただき、ちょっと立ち止まり、これからの自分の人生の歩み方について考える機会になってもらえればうれしいと思っています。
皆さまのお役に立つことを、執筆者一同、心より願っております。(横山恵子)
「みんなねっとライブラリー」No.5 公社 全国精神保健福祉会連合会(みんなねっと)監修

今日の向こうは02

きょうだいが語る きょうだいの精神疾患と私の人生

『今日の向こうは』きょうだいが語るきょうだいの精神疾患と私の人生
第1章 きょうだいの語り
そのとき、それまで、そして自分の未来

体験1 ● 仲田海人(執筆時20代、弟の立場)
きょうだいは親代わりではない
焦りを伴う先送りできない問題

私には3歳上の姉がいます。「しっかり者でクラスのリーダー的存在」だった姉が発症したのは、姉が中学生、私が小学生の時でした。きょうだいとして、将来を悲観した私が発したSOSは周囲の大人たちに届くことがなく、いつしか姉のことも含めて、我が家の問題は自分の手で解決しなければならないと思うようになっていました。

体験2 ● やじろべえ(執筆時40代、姉の立場)
思春期のこころの問題を置き去りにしないために。
きょうだい、家族、支援者に伝えたいこと

私には4歳違いの妹がいます。妹は32歳で発症し、警察に助けを求め入院するなどしましたが、今は本来の妹らしさを取り戻しています。私は妹の病気をきっかけに支援者となりました。公認心理師の資格を取得した後、現在は、自立訓練施設の生活支援員として福祉施設に勤務しています。

体験3 ● 南の島のきょうだい(執筆時20代 妹の立場)
自分自身や家族の中に病気に対する偏見がなければ、
姉の病気の悪化を防げたかもしれない

私には4歳上の姉がいます。姉は、20歳頃に統合失調症の診断を受けました。現在も投薬治療を行いながら、訪問看護を利用し病気と向き合って生活しています。入院時期を経て、就労移行支援事業所に通ったのち、現在は就職をして社会生活を送っています。
体験4 ● 木村諭志(執筆時30代、弟の立場)
周りの助けを借りて「自分の人生」を考えられた時
未来をつかんで歩んでいける力になった

私は、4歳年上の統合失調症の姉を持つ弟です。姉は高校生の時に発病し、その時、私は中学生でした。当時を振り返ることには慣れているとは言えませんが、今までの人生をライフサイクルに沿って振り返る中で、感じた思いを率直につづっていきたいと思います。
第2章 考察
きょうだいが語るきょうだいの精神疾患と私の人生
横山恵子(横浜創英大学 教授)
「きょうだいがきょうだいでいられるための家族支援を」
1.きょうだいの精神的不調を真っ先に感じるきょうだい
2.同世代を生きるきょうだいへの影響
3.精神障がい者のきょうだいのグループ
4.きょうだいのピアサポート「家族による家族学習会」
5.まとめ:きょうだいがきょうだいでいられるための家族支援

今日の向こうは03

本書はこんな方におすすめです

1.きょうだいは……
・現在、つらい状況にあるきょうだいが、「精神疾患のあるきょうだいの特徴」を知ることができます。
・現在の自分の状況をあたりまえにせず、あきらめることなく、違った選択肢を知ることができます。
・家族の状況を自分自身で変えることができること、自分の人生を生きて良いことを知り、将来に希望をもてます。
2.家族は……
・「きょうだい」とどのように関わったらいいのかが理解できます。
3.支援者は……
・「きょうだい」の経験を理解し、安易にキーマンとしてきょうだいに頼らない支援を考えられるようになります。
・家族全体をまるごと支援する積極的な姿勢をもてます。
・専門的知識の常識を覆す体験的知識を知ることができます。

はじめに 2
第1章 きょうだいの語り 12
その時、それまで、そして自分の未来

体験談1 ● 仲田海人(執筆時20代、弟の立場)  13
きょうだいは親代わりではない。
焦りを伴う先送りできない問題
私には3歳上の姉がいます。「しっかり者でクラスのリーダー的存在」だった姉が発症したのは、姉が中学生、私が小学生の時でした。きょうだいとして、将来を悲観した私が発したSOSは周囲の大人たちに届くことがなく、いつしか姉のことも含めて、わが家の問題は自分の手で解決しなければならないと思うようになっていました。
幼少の頃・自慢のお姉ちゃん 16
中学生になった姉・異変  17
父のこと・「父権的」な父もまた、生きづらさを抱えていた 19
母のこと・家庭での唯一の逃げ場所 22
中学生になった私・「あの生徒」の弟という目にさらされて 23
高校生の頃の私・夢と現実のはざまで 26
高2の私・精いっぱいのSOS。その先の無力感。自分でやるしかない 29
高3の私・進学で父との葛藤 33
大学生の私・作業療法を学ぶ 35
大学卒業を前に・長期入院中の姉のために学びを生かしたい 36
親とは異なる「きょうだい」だから・姉が早期に自立しなければ自分の未来が描けない 38
きょうだい会の立ち上げ・情報や医療、福祉資源の地域格差を埋める 40
症状が安定した姉・やっと自分の人生を考えられるようになった 44
それから3年後の今・2024年4月 47

体験談2● やじろべえ(執筆時40代、姉の立場、作業療法士)  55
思春期のこころの問題を置き去りにしないために。
きょうだい、家族、支援者に伝えたいこと
私には4歳違いの妹がいます。妹は32歳で発症し、警察に助けを求め入院するなどしましたが、今は本来の妹らしさを取り戻しています。私は妹の病気をきっかけに支援者となりました。公認心理師の資格を取得した後、現在は、自立訓練施設の生活支援員として福祉施設に勤務しています。
妹、32歳の時・発症 58
幼少の頃・関西育ちで元気な妹 60
希望の高校進学の私、中学で部活に励む妹・暗転。父の会社の倒産、母の病気 61
妹は転校した中学校で・いじめ、歯ぎしり、家で暴れ壁に穴も 62
高校生の妹・一人で戦い続けていた 64
20代初期の私・父の独立、念願のマイホーム、妹は就職し最年少店長に 65
20代後半の姉妹・父の事業の失敗、マイホームの売却、親子別々の暮らし 66
30代前半の妹・C型肝炎ウイルスに感染し、薬の副作用で統合失調症に 68
30代後半の姉妹・病状が進行する妹、命あるうちにと奔走する母 72
40代の姉妹・母の死。悲しみで幻聴に支配される妹。悪化し最初の入院 75
警察に助けを求め妹は再入院・家族の力だけでは解決できない。作業療法士を目指し学ぶ私 80
40代後半の姉妹。「妹」が戻ってきた!・両親も、妹本人も、私も病気を理解するようになれた 83
妹の病気と私・援助を必要とする人、支援する人 85
きょうだい、家族、支援者に伝えたいこと・思春期のこころの問題を置き去りにしないために  88
それから3年後の今・2024年4月 95

体験談3 ● 南の島のきょうだい(執筆時20代 妹の立場)  99
自分自身や家族の中に病気に対する偏見がなければ、
姉の病気の悪化を防げたかもしれない
私には4歳上の姉がいます。姉は、20歳頃に統合失調症の診断を受けました。現在も投薬治療を行いながら、訪問看護を利用し病気と向き合って生活しています。入院時期を経て、就労移行支援事業所に通ったのち、現在は就職をして社会生活を送っています。
幼少の頃・真面目で優しい姉 102
小学生~中学生の頃・姉は学級委員、部活動、勉強と多忙な生活 106
高校生の姉・ぷつんと糸が切れたように 107
高校生になった私・憧れの高校生活を満喫 110
大学生の姉・すぐに病院受診を! 111
大学を卒業した姉・家族は周囲の目を気にして家族内だけの隠し事に 113
就労移行支援事業所から介護職へ就職の姉・「普通に見えるから大丈夫」と思い込んでいた 115
大学で看護学を学ぶ私・精神疾患を学べば学ぶほど……  117
社会人の私 総合病院へ就職・憧れの一人暮らし、姉との同居 119
姉との離別・「家族とも友人とも一切の縁を切る」と 121
再会・姉の病気と向き合う 125
姉の発症から10年・病気への家族の理解 130
家族の今・姉は就職、私は結婚 132
きょうだい、家族へのメッセージ・自分ひとりで苦しまず、相談してみてほしい 135
それから3年後の今・2024年4月 136

体験談4 ● 木村諭志(執筆時30代、弟の立場)   141
周りの助けを借りて「自分の人生」を考えられた時、
未来をつかんで歩んでいける力になった
私は、4歳年上の統合失調症の姉を持つ弟です。姉は高校生の時に発病し、その時私は中学生でした。当時を振り返ることには慣れているとは言えませんが、今までの人生をライフサイクルに沿って振り返る中で、感じた思いを率直につづっていきたいと思います。
幼少の頃・いつも一緒の姉、子煩悩な両親 144
高校生の姉・急変 145
中学生の私・和やかだった家庭の崩壊 148
中3の私・どうにでもなってしまえ 150
高校生の私・自分の人生って何だろう… 152
高校卒業後の私・気付けば20歳 154
福祉の専門学校へ進学・初めてのやりがい 156
看護学校へ進学・家族との距離感。実家から出る決意 158
脳神経外科の看護師として多忙な日々・自分の人生、家族の人生 160
オーストラリアでのワーキングホリデー・一生の宝物 162
実家に戻り、精神科看護師に・教えることへの興味募る 164
大学生活・「きょうだい」の研究で自分自身と向き合う 167
結婚・自分の家庭を築く勇気を得て 168
これからの私・唯一無二の弟として 171
きょうだいに伝えたいメッセージ・決して一人じゃない 173
それから3年後の今・2024年4月 175

第2章 考察  181
精神障がい者のきょうだいの体験から きょうだい支援を考える
きょうだいがきょうだいでいられるための家族支援を / 横山 恵子

おわりに 215
奥付 執筆者、みんなねっとライブラリー

著者・横山恵子(よこやまけいこ)

横浜創英大学 看護学部 精神看護学 教授/看護師。
埼玉県立がんセンター、埼玉県立北高等看護学院、埼玉県立精神保健総合センター(現、県立精神医療センター)準備室を経て、看護師長として勤務。急性期病棟にて精神科看護を経験。その後、埼玉県立大学短期大学部看護学科講師、埼玉県立大学准教授から埼玉県立大学保健医療福祉学部看護学科・大学院保健医療福祉学研究科/教授/看護師。その間、日本社会事業大学社会福祉学研究科博士前期課程、東京女子医科大学大学院看護学研究科博士後期課程修了。
主な研究テーマは、精神障がい者の家族支援・家族会活動・アウトリーチサービス・看護師のキャリア支援。

基本情報

・書名:今日の向こうは きょうだいが語るきょうだいの精神疾患と私の人生
・著者:横山恵子、仲田海人、やじろべえ、南の島のきょうだい、木村諭志
・発売日:2024年6月12日
・価格: 1,650円(本体1,500円+税10%)
・判型 四六判(横127mm×縦188mm×厚さ10mm)
・ページ数 218ページ
・ISBN:978-4-295-40992-2
・Cコード:C0036
・発行:株式会社ペンコム
・発売:株式会社インプレス